著名なAI研究者のAndrew Tulloch氏が、破格の報酬パッケージを提示されてから1年足らずでMetaを退社すると報じられている。

Tulloch氏には、最高額のボーナスと並外れた株価パフォーマンスを含め、最大15億ドル相当になり得る報酬パッケージが提示されたと報じられている。しかし同氏はそのオファーを断った後、非公表の金額でMetaに入社することに同意した。採用にあたっては、CEOのMark Zuckerberg氏が自ら口説いたと報じられている。

Tulloch氏は水曜日、同僚に退社を伝えた際、次にどこへ向かうのかは明らかにしなかった。また、なぜ退社を決めたのかも不明だ。The Wall Street JournalとSemaforが報じた。

Tulloch氏の採用はMetaにとって大きな戦果とみなされていた。同社は、人工知能競争でフロンティアモデル企業に追いつこうと、トップ研究者の獲得に多額の資金を投じていたためだ。ただし、同氏がMetaに在籍するのは今回が初めてではない。以前にもMetaで11年間勤務し、2023年にOpenAIへ移籍した後、元OpenAI CTOのMira Murati氏が率いるThinking Machines Labを共同創業していた。

今回の決断は、AI企業から相次ぐ最近の著名な人材流出に続くものだ。これには、GoogleのチーフサイエンティストであるJeff Dean氏が新たなAIスタートアップを立ち上げるために退社したことや、Anthropicの研究者であるJacob Coxon氏の辞任が含まれる。Coxon氏は、「AIは2030年までに人類を滅ぼす可能性がある」と主張した後、短期間で同社を離れた。

Meta Muse

Tulloch氏の退社は、MetaがMuseをローンチしたわずか1日後のことだ。Museは、ユーザーがアプリを閉じた後も作業を続けられるパーソナルAIエージェントだ。

Museは、メールの送信、旅行の予約、ブラウザーの起動、フォームへの入力、ユーザーに代わった交渉などのタスクに対応するほか、より高度で長期的な目標にも対応できると、Metaはブログ記事で説明した。MuseはMetaの最新モデルであるMuse Sparkを基盤とし、専用アプリまたはWhatsAppから直接利用できる。

初期のアナリストの反応は、「予想以上に有望な製品サイクル」を示すものだった。

「新しいMuseアプリを試してみたところ、アプリの完成度、機能の幅広さ、ニュースフィードの統合、アクションを実行する能力、無料プランの導入に、良い意味で驚かされた」と、みずほのアナリストは水曜日、顧客向けのメモに記した。