インド最大のITサービス企業で、売上高と時価総額の両方で首位に立つTata Consultancy Servicesは、子会社HyperVaultとパートナー企業が、インド南部テランガーナ州の州都ハイデラバードに、最大1GWの容量を持つAIデータセンターキャンパスを建設するため、最大7000億ルピー(74億ドル)を投資する計画だと発表した。
HyperVaultはこのプロジェクト用に264エーカーの土地を確保しており、顧客需要と技術要件に基づいて段階的に開発する予定だと、TCSは土曜日に発表した。キャンパスの完成時期や顧客名は明らかにしていない。
同社によると、この施設は最先端AI企業やハイパースケーラーにサービスを提供し、AIモデルの学習と実行に使われるGPUの大規模導入を支援する。
「私たちは、AIが向かう先に向けたインフラを構築している。より高密度で、液冷を採用し、より大きな電力ブロックと、より迅速な展開を実現する」と、HyperVaultのCEOであるDeepesh Kiran Nanda氏は述べた。
TCSによると、キャンパスではチップ直冷式の液冷システム、高密度サーバーラック、グリーンエネルギーを採用し、「ウォーター・ニュートラル設計の原則」に従うという。
TCSは、このプロジェクトによって数千人規模の直接・間接雇用が創出されると見込んでおり、完成すればインド最大級のAIインフラキャンパスの1つになるとしている。
テランガーナ州のIT・産業相D. Sridhar Babu氏によると、このプロジェクトは1月にダボスで開かれた世界経済フォーラムで、テランガーナ州首相A. Revanth Reddy氏とTata Sons会長N. Chandrasekaran氏が協議したことをきっかけに始まった。
TCS、AIインフラに事業を拡大
昨年11月、TCSはHyperVaultを拡大するため、プライベートエクイティ企業TPGとの提携を発表した。同社はインドでAIデータセンターを建設するため、TPGから10億ドルを調達した。両社は今後数年間でHyperVaultに1800億ルピー(20億ドル)を投資する計画も示していた。
総額最大20億ドルのコミットメントのうち、TPGはHyperVaultの27.5%から49%の株式を取得するため、最大882億ルピーを投資することで合意した。一方、TCSは引き続き過半数株主となる。当時、Reutersは、両社がデータセンター事業全体に向けて45億ドルから50億ドルの負債を調達することも目指していると報じていた。
TCSは、ハイデラバードで計画している74億ドルの投資に、以前発表した資金調達コミットメントが含まれるかどうかを明らかにしていない。
この動きにより、TCSは従来のITサービス事業の枠を越え、より資本集約的なインフラ事業に進出する。TCSによると、2026年3月31日に終了した会計年度の連結売上高は300億ドルを超えた。同社の現在の時価総額は約880億ドル。
HyperVaultのプロジェクトは、インドで進むAIインフラ拡大の一環だ。昨年10月、Googleは150億ドルを投資すると発表した。投資期間は5年間で、アーンドラ・プラデーシュ州の都市ヴィシャカパトナムに、初期容量1GWのAIデータセンター拠点を整備する。Adani GroupとAirtelがこのプロジェクトのインフラ構築を支援している。
Reliance Industries、Brookfield、Digital Realtyによる別の合弁事業は、昨年11月、110億ドルを投資する計画を発表した。投資期間は5年間で、ヴィシャカパトナムに別の1GW規模のAIデータセンターキャンパスを建設する。
インドのデータセンター急増は、電力と水の供給にもさらなる圧力をかけている。先月、Reutersは、Googleのヴィシャカパトナム・プロジェクトが、水資源への潜在的な影響や、ヒョウやセンザンコウが生息する野生動物保護区に近接していることをめぐり、複数の法的課題に直面していると報じた。Googleは、地域の重要な水資源を守るため、高度な空冷技術を採用すると説明している。
