人工知能を使って医薬品を発見・開発する、ByteDanceからスピンアウトしたスタートアップのAnew Labsは、評価額15億ドルで2億9,000万ドルを調達したと、ロイターが報じた。事情に詳しい2人の関係者の話として、水曜日に伝えた。

報道によると、Sequoia Chinaとして知られていたHSG、IDG Capital、Hillhouse InvestmentのGL Venturesがこのラウンドを主導し、5Y Capitalが共同リード投資家として参加した。Gaorong Ventures、Primavera Venture Partners、Boyu Capital、SBP Group、政府系のShanghai Future Industries Fundも参加したと、ロイターは報じた。

報道によると、この資金調達はAnew Labsにとって初の外部資金調達ラウンドとなる。

資金調達後も、ByteDanceはAnew Labsの56%の株式を維持すると報じられている。TikTokのオーナーであるByteDanceがAnew Labsをスピンオフしたのは、AI創薬が同社の主要事業とは異なる運営を必要とし、別の経営手法が求められるためだとされている。

Anew Labsはウェブサイトによると、AIを使って生体分子を研究し、抗体を設計し、医薬品候補を特定している。上海を拠点とする同社は、サンフランシスコとシンガポールにもオフィスを構えている。

Anew Labsの開発パイプラインには、低分子医薬品、人間の細胞表面にあるタンパク質を標的とする別の医薬品、標的が明らかにされていない2件のプロジェクトが含まれると、同社ウェブサイトは説明している。

ByteDanceのAIへの取り組み

ByteDanceはAIの複数の分野で事業を拡大している。同社の製品には、中国で最も広く利用されているAIチャットボットの1つであるDoubaoや、動画を生成するモデルのSeedanceなどがある。今月初め、ByteDanceはAIプロジェクトとコンピューティングインフラを拡大する中で、300億ドルの融資を確保したと報じられた。

ByteDanceは、リアルタイムの空間動画生成向けAIモデルの準備も進めており、早ければ来月にも提供を開始する可能性があるとされている。このモデルは、ゲーム、ロボティクス、仮想現実(VR)機器などに利用できるインタラクティブな仮想環境を生成すると見込まれている。

一方、Anew Labsが参入するAI創薬分野には、これまでに複数の大型投資が集まっている。Google DeepMindのスピンアウト企業Isomorphic Labsは5月、AI創薬設計プラットフォームの拡大に向けて、21億ドルという巨額の資金調達ラウンドを実施した。これは2025年の6億ドルの調達に続くものだ。7月には、米国に拠点を置くChai Discoveryが4億ドルを調達し、評価額38億ドルとなった。新たな分子を設計するAIモデルの開発に充てる。